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EPUB READING GUIDE

青空文庫の名作を読み切れなかった人へ|途中で止まった本との付き合い方

途中で止まった名作に、必ず最初から戻る必要はありません。止まった理由、再開地点の探し方、短編を挟む選び方、表示調整を整理。読破を義務にせず、もう一度読んでみるための実践的な案内です。

本棚に入れたままの『こころ』。途中まで進んだ『銀河鉄道の夜』。読むたびに少しずつ間が空き、どこから再開すればよいか分からなくなった本はありませんか。

読み切れなかった本を、すぐに「自分には向いていない本」と決める必要はありません。同時に、名作だから必ず最後まで読まなければいけない、と考える必要もありません。

この記事は、読了を約束するものではありません。止まった理由に合わせて、次の小さな行動を選ぶための提案です。今日は戻らない、という選択肢も含みます。

まず「なぜ止まったか」を、一つだけ選ぶ

いろいろな理由が重なっていても、今いちばん近いものを選べば十分です。

止まっている理由最初に試すこと
誰が誰だか分からなくなった再開する章の少し前へ戻り、出てくる人物だけ確認する
知らない語を調べ続けて疲れた場面を理解するために必要な語だけ、その場で調べる
文字や行間が読みづらい内容とは別に、表示設定を見直す
何が面白いのか分からないその作品で気になったことを一つ探す。なければ別の本を選ぶ
気分に対して内容が重かった再開を急がず、別の調子の文章へ移る
毎回長く読む時間を取れない一章を義務にせず、一区切りまたは時間で終える

原因を診断する表ではなく、何を変えるかを決めるための目安です。

1. 毎回、最初から読み直さなくてもよい

久しぶりの本を開くと、一ページ目からやり直したくなることがあります。それが楽しいならよいのですが、冒頭ばかり繰り返して先へ進めないなら、戻り方を変えます。

最後に読んだ位置の少し前から、場面が分かるまで戻ります。人物がいる場所、話している相手、いま困っていること。この三つがつかめたら、そこを再出発点にします。

ここまでの内容を全部説明できなくても、再開はできます。必要になったら、そのとき少し戻れば足ります。

2. 答えではなく「気になっていること」を残す

読書ノートを書くなら、長い要約より、次に読みたくなる一行を残してください。

先生は、なぜこの質問には短く答えたのだろう。
この人は、相手に何を分かってほしいのだろう。
この風景が、もう一度出てくるか気になる。

いずれも読書メモの例で、作品本文の引用ではありません。分かったことだけを書こうとすると、分からない日には何も残せません。疑問を一つ残しておけば、それが次に開く理由になります。

『こころ』の序盤へ戻るときは、終盤の事情を明かさない読書ガイドも用意しています。

3. 「言葉が難しい」と「文字が見づらい」を分ける

同じ行を何度も追ってしまうときは、引っかかっているのが表現そのものなのか、文字の小ささや行の詰まりなのかを分けて考えます。

表示が原因なら、本文を読む前に文字サイズや行間を調整します。BlueReaderでは、デフォルト読書設定から本文の表示を調整できます。本ごとの設定が優先される項目もあるため、変更が見えないときは設定の範囲を確認してください。1

BlueReaderのデフォルト読書設定を確認する

知らない言葉が原因なら、調べ方を変えます。今の場面を理解するために必要な語はその場で調べる。比喩や細かな表現は、印を付けて後で戻る。すべて調べるか、何も調べないかの二択にする必要はありません。

4. 短い作品を挟むことは、脱落ではない

長編から一度離れて、短編や随筆を読むのも一つの手です。それで元の本に戻れなくなるわけではありません。

ひとつの物語を追うなら青空文庫の短編7選、食卓の記憶と一緒に読むなら食べ物のエッセイ5選から選べます。

短いものを選ぶ目的は、簡単な本での訓練ではありません。今の時間や気分に合う区切りを作ることです。短編が気に入ったら、しばらく短編だけを読んでもかまいません。

5. 再開する日の目標を、小さく決める

たとえば「今日は15分だけ本文を開く」「この会話が終わるところまで読む」。どちらも目標の例で、効果が実証された最適時間という意味ではありません。

達成したあとも読みたければ、続けて読めばよいのです。反対に、疲れたら途中で閉じます。予定どおりに進むかどうかより、どんな箇所で止まりやすいかが分かれば、次の予定を調整できます。

一週間分を取り戻そうとして、休んだ日数のぶんを翌日に足す必要もありません。締め切りのない読書なら、終了日を後ろへずらせばすみます。

6. あえて、この本は保留にする

少し戻っても、表示を変えても、今は先を読みたいと思えないことがあります。それなら、合わない自分を直そうとするより、本を保留にしてください。

保留にする前に、どこがつらかったかを一言だけ残しておくと、後で選ぶときに役立ちます。「会話より説明が多く感じた」「今は死を扱う話を読みたくない」「語り口に乗れなかった」。文学的な評価を書く必要はありません。

再開するかどうかは、その後の自分が決められます。読み切ることだけを、読書から何かを受け取った証拠にしないでください。

戻りたいときに、同じ本を開けるようにする

青空文庫の図書カードや、読んでいた版を控えておくと、再開先を取り違えにくくなります。とくに同じ作品に複数の版がある場合は、題名だけでなくカード番号も手がかりになります。具体例は『銀河鉄道の夜』の版の選び方にまとめています。2

PCとスマートフォンで続きを読みたい場合は、青空文庫のテキストZIPを青空→EPUBで変換し、生成したEPUBをBlueReaderへアップロードします。サーバー解析後に本棚から開き、同じアカウントで読書位置を引き継ぎます。3

青空文庫をEPUBに変換してBlueReaderで読む方法

今日は一節戻って読む日でも、別の本を選ぶ日でもかまいません。次に本を開く理由が一つ見つかれば、そこが出発点です。


Footnotes

  1. BlueReader「デフォルト読書設定ガイド」およびPC版の設定画面。表示項目と本ごとの設定優先の案内を参照。 ↩

  2. 青空文庫「銀河鉄道の夜 No.456」「No.43737」。同名作品でも底本の異なる公開ファイルがある例。 ↩

  3. BlueReader「青空文庫をEPUBに変換してBlueReaderで読む方法」。変換先は青空→EPUB。BlueReaderでは、EPUBのアップロードとサーバー解析が必要。 ↩

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EPUBを本棚へ追加し、サーバーでの解析後にブラウザから開けます。

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